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「地域の豊かさ」講座にて講義

2023年4月21日(金)、山梨県立大学の「地域の豊かさ」講座(今井久先生)にて、「持続可能な社会のトップランナーへ -山梨県エコロジカル・フットプリント国内最小-」についてEFJ理事の清野が講義しました。これは、地域資源に注目して地域の豊かさを考えることを目的としており、内容は書籍『山梨ならではの豊かさ』に沿ったものです。 前半は、エコロジカル・フットプリント(以下、エコフット)の考え方や役割などを解説しました。あわせて、2030年世界目標となった生物多様性を回復軌道に乗せるネイチャーポジティブとエコフットとのつながりも紹介しました。受講生は事前に個人診断クイズで自分の暮らししが地球何個分かを調べていたこともあってか、「エコフットはなぜ自然の供給サービスだけを対象とするのか」「計算において世界の生産性はどのように測るのか」など、本質をついたハイレベルの質問が続きました。 後半はグループにわかれ、山梨県のエコフットをさらに小さくする具体策をナッジ的な発想を取り入れてディスカッションしました。受講生たちからは、山梨県の特徴である果物、酒類、「無尽」やおすそ分け文化などを組み合わせることで、環境負荷を減らしつつ地域の発展や人々のつながりを深める効果も期待できるアイデアが出ていました。エコフットを減らすには地域の特徴と地元ならではの視点が重要であると、あらためて知ることができました。EFJは、これからも多くの人々と交流しながら、具体的な行動につながるよう務めてまいります。   関連するウェブサイト: ● 書籍『山梨ならではの豊かさ』 ● エコロジカル・フットプリントのついて寄稿した書籍発刊ヘッダー写真 (Unsplash, Amos Bar-Zeev)
May 23, 2023
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講演:ネイチャーポジティブ経済への移行

2022年12月9、10日、国際基督教大学社会科学研究所と上智大学グローバル・コンサーン研究所の共催で国際シンポジウム「サステナビリティ変革への加速」がハイブリッド形式で開催されました。2日目の12月10日には、EFJ会長の和田喜彦(同志社大学教授)が「ネイチャー・ポジティブをどう加速させるか:エコロジカル・フットプリントの潜在的可能性」と題して講演しました。 内容は、ネイチャー・ポジティブ経済移行をめざそうとする国際社会の潮流、エコロジカル・フットプリント分析の背後にある基本的な考え方、そしてエコロジカル・フットプリントの応用事例の紹介などでした。具体例として特に注目されたものは、個人エコロジカル・フットプリント診断クイズを大学生に受診していただいた事例と、マイボトル利用促進のための給水スポット設置事例の二つです。 事例1:EFJの個人エコロジカル・フットプリント診断クイズを同志社大生100名に、1回目は現状を申告、2回目は地球1個分の暮らしに近づける工夫をして受診してもらいました。計測結果とともに各自、学生たちが書いてくれたコメントはとても勇気づけられるものでした。中には、「自宅で野菜を栽培し始めた」、「テレビのコンセントを抜くようになった」など、行動を起こした学生が4%いました。具体的な環境行動を思い浮かべ、行動を起こす意思をイメージできた学生が56%いました。エコロジカル・フットプリント診断クイズは、約半数の学生の環境行動を誘発したことが示唆されました。 事例2:マイボトル・リフィル用の給水スポットの設置によって節約できるエコロジカル・フットプリントを計算しました。海洋プラスチック問題解決と温室効果ガス削減に貢献したいという学生の提案を受けて、2020年10月に、同志社大学にマイボトル・リフィル用給水スポットが設置されました。春学期と秋学期の合計30週間、同志社大学の学生、院生、教職員全員で、約3万人が、毎日ペットボトルの使用を控え、マイボトルを持参し、給水サービスを利用したら、1年間で少なくとも東京ドーム25個分のエコロジカル・フットプリントが削減でき、同じようなことを全国の大学で行えば、東京ドーム2,700個の削減が可能という結果が出ました。負荷削減効果をエコロジカル・フットプリントで「見える化」することで、給水スポット利用が促進されることが期待されます。 このシンポジウムでは、国内外の研究者や専門家たちから、世界が直面する平和、環境、感染症、食料安全保障などについて最新研究の報告などの発表がありました。地球規模の課題をいかに公平に解決していくか、質疑応答などをとおして参加者との意見交換がありました。 EFJは、多くの人々と意見交換しながら、具体的な行動につながるよう努めてまいります。関連するサイト: 国際シンポジウム(12/9-10) サステナビリティ変革への加速 ヘッダー写真( Unsplash Bluewater Sweden )
March 4, 2023
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三鷹市環境連続講座にて「エコロジカル・フットプリント」講演

2022年12月10日(土)、みたか環境活動推進会議と三鷹市が共催する環境連続講座「みんなで考えよう みたかのSDGs」の第4回にて、EFJ理事の清野比咲子が「エコロジカル・フットプリントー地球1個分で暮らすためにー」について講演しました。 前半は、地球環境の危機を回復させるには、持続可能な生産と消費の指標であるエコロジカル・フットプリントの考え方が役立つことを紹介しました。さらに、実行には地域の自治体や企業、大学、NGOなどの協働が大切であることを事例などで紹介しました。 後半は、「三鷹市の未来の環境」をテーマとして、参加者がグループにわかれて日頃気になっている事柄や思うことなどを話し合いました。「環境負荷を数値で示すとわかりやすい」「なにがほんとうに環境に良いのか全体を見る必要がある」など、短い時間ながらも熱心で活発な意見交換ができました。最後に、1人ひとりが「これからやってみたいこと」を書き出し、新たなアクションへのきっかけづくりとなりました。 EFJは多くの人々と意見交換しながら、具体的な行動につながるよう務めてまいります。写真:©三鷹市 ヘッダー写真: UnsplashのFinan Akbar
January 20, 2023
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アースオーバーシュートディに エクアドルが世界に行動呼びかけ

2022年7月28日、エクアドル環境・水資源・エコロジー移行省は、アースオーバーシュートディ特別イベントを開催しました。イベントには、エクアドルのグスタボ・マンリケ環境大臣、ルイス・バヤス・バルディビエソ外務省副大臣、エコロジカル・フットプリント開発者のひとりであるマティス・ワケナゲル博士(グローバル・フットプリント・ネットワーク)が登壇しました。また、コロンビア、英国、フランス、コンゴ、パナマの大臣や大使からビデオメッセージが寄せられました。JTNDaWZyYW1lJTIwc3JjJTNEJTIyaHR0cHMlM0ElMkYlMkZ3d3cuZmFjZWJvb2suY29tJTJGcGx1Z2lucyUyRnZpZGVvLnBocCUzRmhyZWYlM0RodHRwcyUyNTNBJTI1MkYlMjUyRnd3dy5mYWNlYm9vay5jb20lMjUyRkFtYmllbnRlRWMlMjUyRnZpZGVvcyUyNTJGNTYzNDIzNzA4NjExNzU0JTI1MkYlMjZzaG93X3RleHQlM0QwJTI2d2lkdGglM0Q1NjAlMjIlMjB3aWR0aCUzRCUyMjU2MCUyMiUyMGhlaWdodCUzRCUyMjMxNSUyMiUyMHN0eWxlJTNEJTIyYm9yZGVyJTNBbm9uZSUzQm92ZXJmbG93JTNBaGlkZGVuJTIyJTIwc2Nyb2xsaW5nJTNEJTIybm8lMjIlMjBmcmFtZWJvcmRlciUzRCUyMjAlMjIlMjBhbGxvd2Z1bGxzY3JlZW4lM0QlMjJ0cnVlJTIyJTIwYWxsb3clM0QlMjJhdXRvcGxheSUzQiUyMGNsaXBib2FyZC13cml0ZSUzQiUyMGVuY3J5cHRlZC1tZWRpYSUzQiUyMHBpY3R1cmUtaW4tcGljdHVyZSUzQiUyMHdlYi1zaGFyZSUyMiUyMGFsbG93RnVsbFNjcmVlbiUzRCUyMnRydWUlMjIlM0UlM0MlMkZpZnJhbWUlM0U=マンリケ環境大臣は、「アースオーバーシュートディは、現在の生産と消費のシステムが、地球に住み続けるという意思に適合していないことを示すものです。自然資源をよりよく保全し、人間の自然への需要を管理するためには、持続可能性と再生に基づく新しい開発モデルをめざした具体的な共同行動が必要です。エクアドルから世界に向けて、この大義にコミットすることを呼びかけます。」と訴えました。 ワケナゲル氏は、「資源の確保は、経済力を左右する重要な要素になりつつあります。誰かが先に行動するのを待つメリットはありません。むしろ、気候変動や資源の制約がすすむ未来は避けがたく、率先して資源を適切に管理する能力を高めることが、すべての企業、都市、国の利益となるはずです。」と述べました。 エクアドルでは、2008年には自然の権利を明記した憲法が国民投票で承認されました。また、自国の自然資源と消費行動のバランスを測る指標として、エコロジカル・フットプリント分析を取り入れました。エクアドルは、ガラパゴス諸島やアマゾン熱帯雨林など世界有数の豊かな生物多様性のもと、かつては十分な生物生産力(バイオキャパシティ)があり、自国の消費や廃棄吸収に必要な量を十分上回っていました。しかし、人口増にともなう持続可能でない開発や森林破壊、原材料輸出に依存した経済によって、バイオキャパシティが赤字に近づきました(下図参照)。そのため、バイオキャパシティを赤字にしない計画を立案したのです。また、もし世界の人々がエクアドルと同じ暮らしをしたら、地球1.08個分(2018年)であり、ほぼ地球1個分の暮らしです。 グローバル・フットプリント・ネットワーク プレスリリース エクアドル ケーススタディ エコロジカル・フットプリント・データベース ※ヘッダー写真 © Global Footprint Network
August 5, 2022
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AGC株式会社・社内セミナー 「エコロジカル・フットプリント開発の経緯とビジネスへの応用」にて講演

2022年6月27日(月)、AGC株式会社の社内セミナー:「エコロジカル・フットプリント開発の経緯とビジネスへの応用」にて、EFJ会長の和田喜彦(同志社大学経済学部教授)、同理事の伊波克典(グローバル・フットプリント・ネットワーク研究員)がオンライン講演をおこないました。 本講演は、AGCグループのCNA活動(Cross-divisional Network Activity:部門横断的ネットワーク活動)の一環として実施。エコロジカル・フットプリントが、企業価値の再構築(リブランディング)をエンパワーするツールとなり得るのかを検討する場となりました。 講演の前半部分では和田が、エコロジカル・フットプリント誕生と開発の経緯をたどりつつ、『生物多様性の経済学:ダスグプタレビュー』(2021年)に象徴されるように、エコロジカル・フットプリントの概念が世界的に再認識されつつある背景を説明。後半部分では伊波から、日本におけるエコロジカル・フットプリント分析の活用事例や、近年注目を集めているナッジを効かせた「デザイン的アプローチ」をエコロジカル・フットプリント削減へ応用する可能性について紹介しました。 エコロジカル・フットプリント指標が開発されてから30年。その間、サスティナビリティ(持続可能性)に対する人々の捉え方は大きく変化しています。EFJは今後も、多くの関係者と対話を重ね、具体的な解決策を共に考えていくために務めてまいります。 AGC株式会社ホームページ「サステナビリティ」
July 10, 2022
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産総研×DBJ共催シンポ 「地球1個分の資源で生きる」 にてEFJ会長の和田が基調講演

2022年3月4日、(株)日本政策投資銀行(DBJ)グループおよび(国研)産業技術総合研究所(産総研)共催のオンラインシンポジウム:「地球1個分の資源で生きる~持続可能な社会のための新しい資源循環技術~」にて、EFJ会長の和田喜彦(同志社大学経済学部教授)が基調講演をおこないました。 本シンポジウムは、人間も経済も自然の一部として存在しているという世界観に立脚しつつ自然生態系の価値を組み込む新しい経済学を紹介するとともに、最先端の資源循環利用技術を共有して循環経済への道筋を探るもので、約400人の参加がありました。 和田からは、「地球生態系とのバランス指標としてのエコロジカル・フットプリント~ダスグプタ・レビューの示す未来」として、経済学のパラダイムシフトともいえるレビューの概要と、エコロジカル・フットプリント分析について紹介しました。 パネリストからは、「地球1個分の資源で暮らすことを、もはや避けて通ることはできない」「サステナビリティの指標として、エコロジカル・フットプリントがこれからのキーワードになる」といったお話がありました。 さらに、循環型社会にむけて、新たな課題を各分野の知見を集めて解決していくことの必要性を共有しました。 EFJは今後も、さまざまな分野でエコロジカル・フットプリントの理解が深まり、持続可能な生産と消費に貢献できるよう務めてまいります。 日本経済研究所・「産総研×DBJグループ共催シンポジウムのご案内」 日本経済研究所・日経研7月号「特集」  
June 9, 2022