課題解決は進化への原動力
「地球が生産できる量に比べて、人間は自然資源をどのくらい使用しているのだろうか?」 1990年頃に、ウィリアム・リース教授が抱いたシンプルな疑問から、エコロジカル・フットプリントは誕生しました。
その後、マティス・ワケナゲル博士とリース教授とで、計算方法を科学的に確立、進化させてきました。
誕生から約30年、エコロジカル・フットプリントはさまざまな国や地域で活用されています。しかし、環境問題がさまざまに変化し、調査研究が進むなか、エコロジカル・フットプリントの計算方法も改善の余地があります。
基本的な考え方
エコロジカル・フットプリントは人間が必要とする自然資源の陸域・水域の面積。バイオキャパシティは、地球が生産できる陸域・水域の面積。両者を比べて、持続可能性を測ります。この基本的な考え方が軸となっています。
エコロジカル・フットプリントとバイオキャパシティの算出方法については、課題を把握し、改善を図っています。
データの正確性についての改善策
エコロジカル・フットプリントとバイオキャパシティは、国連とその関連機関が公開する統計データに基づいています。現在では国際的に信頼されているデータとして受け止められています。その元となるデータは各国統計局が報告したもので、すべてを網羅できていないこともあります。
現在ではデータの正確性に限界があるため、特定の要素を省略したり、仮定を置いたりする必要があります。これらが結果の正確性にも影響を与えかねない懸念があります。
そのため、改善に向けた取組みは明確な研究課題に基づき、各国間で比較可能な結果を提供するように設計しています。データを中立的かつ確実に提供できるよう、新しい組織を設立しています。
計算方法の改善策
エコロジカル・フットプリントの計算手法についてのガイドラインがあり、公開されています。都市、企業、個人などさまざまなレベルでおこなわれる調査研究などから、データの改善と方法論の精査が継続的に行われています。
限界と課題に関するガイドブック
限界と課題についての詳細は、以下の内容を含むガイドブックがあります。
1.エコロジカル・フットプリントは信頼できるか?
2.なぜエコロジカル・フットプリントが必要なのか?
3.基本的な考え方の紹介
– 主な結果
– 指標と会計簿科目の比較
– 人間の需要についての他の指標との比較
– 補完的なアプローチ
4.特徴とできないこと
5.正確性をどのように向上させているか
6.「なぜカーボンに焦点を当てないのか 」など、よくある質問のリスト
7.関連資料
– エコロジカル・フットプリントの紹介
– エコロジカル・フットプリントのレビュー
– 批判
詳しくは以下を参照してください。
Limitations and Criticism Guidebook for Ecological Footprint