「自然資源の赤字を黒字に転換へ」
ロシアのウクライナ侵攻は、多くの人命を奪い、生活を破壊しています。戦争は大地と海に棲む生きとし生けるものの命と尊厳を奪い去ります。そればかりか、人々がこつこつと積み上げたSDGs実現への努力と果実を一瞬で打ち砕きます。日本を含む国際社会は即時停戦を実現させなければなりません。戦争が長期化し、世界的にエネルギーの供給不安定や食料危機などの懸念が一層高まっています。戦争によって地球環境危機の深刻さが増すなか、環境課題の解決を遅らせることはできません。
<地球の限界>
人間の存続の基盤である環境には限りがあり、生態系が提供する財やサービスにも限界があります。地球環境の均衡を保つには、生態系が提供する財やサービスの範囲内で人間が生活することが求められます。しかし、過去50年、地球が供給する資源の範囲を人間の利用が超えている状態(オーバーシュート)が続いており、地球温暖化や生物多様性の減少が進んでいます。