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2022年7月28日、エクアドル環境・水資源・エコロジー移行省は、アースオーバーシュートディ特別イベントを開催しました。イベントには、エクアドルのグスタボ・マンリケ環境大臣、ルイス・バヤス・バルディビエソ外務省副大臣、エコロジカル・フットプリント開発者のひとりであるマティス・ワケナゲル博士(グローバル・フットプリント・ネットワーク)が登壇しました。また、コロンビア、英国、フランス、コンゴ、パナマの大臣や大使からビデオメッセージが寄せられました。

マンリケ環境大臣は、「アースオーバーシュートディは、現在の生産と消費のシステムが、地球に住み続けるという意思に適合していないことを示すものです。自然資源をよりよく保全し、人間の自然への需要を管理するためには、持続可能性と再生に基づく新しい開発モデルをめざした具体的な共同行動が必要です。エクアドルから世界に向けて、この大義にコミットすることを呼びかけます。」と訴えました。

ワケナゲル氏は、「資源の確保は、経済力を左右する重要な要素になりつつあります。誰かが先に行動するのを待つメリットはありません。むしろ、気候変動や資源の制約がすすむ未来は避けがたく、率先して資源を適切に管理する能力を高めることが、すべての企業、都市、国の利益となるはずです。」と述べました。

エクアドルでは、2008年には自然の権利を明記した憲法が国民投票で承認されました。また、自国の自然資源と消費行動のバランスを測る指標として、エコロジカル・フットプリント分析を取り入れました。エクアドルは、ガラパゴス諸島やアマゾン熱帯雨林など世界有数の豊かな生物多様性のもと、かつては十分な生物生産力(バイオキャパシティ)があり、自国の消費や廃棄吸収に必要な量を十分上回っていました。しかし、人口増にともなう持続可能でない開発や森林破壊、原材料輸出に依存した経済によって、バイオキャパシティが赤字に近づきました(下図参照)。そのため、バイオキャパシティを赤字にしない計画を立案したのです。また、もし世界の人々がエクアドルと同じ暮らしをしたら、地球1.08個分(2018年)であり、ほぼ地球1個分の暮らしです。